アデン 一/soft_machine
 

 アデン


 三日月の夜にケンカしてかけ出したら道にまよってしまった。
 どこをどうはしってきたのか、気づいたら公園がすごく大きくて僕はようやく立ち止まったんだけど、滑り台の下でしばらくぼうっとしてからこんな公園は一度も来た事がないって分かって、こまっちゃったんだ。それでまたなんとなく歩きだしたんだけど、いくら帰ろうと思っても見なれた景色になってくれないのは、きっとどんどん離れていってたんだろうね。
 月が空のはじっこのほうでとおい山にひっついてかくれるとだんだん星がふえてきた。おなかが空いてきていいにおいを嗅ぎわけようって思った。それなのにだんだん街のにおいがしなくなってきて、こ
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