「 空のつばめ 」 /
服部 剛
腰を痛めて休養中のある日
一本の万年筆を右手に持ち
ノートを開いた
机に向かっていた
窓の隙間から吹く風に
浮かび上がるカーテンの
見上げた空にはいつかと同じ
つばめの群が横切った
半端(はんぱ)に開いた左手が
役に立たないわたしのように
かなしく宙にうなだれていた
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