『夕鬱』/
しろいぬ
夜の淵
墜ちた「昨日」の
流した真紅
暁となり
闇を染めゆく
(朝)
高く高く
蝋の羽根など
掠りもせぬ
火に入ることすら
叶わぬ地虫
(昼。飛べず地に居る憐れな地虫)
暮れゆく陽
僅か爪立て
引き止める
「今日」の墓標に
何を刻むか
(夕)
戻る
編
削
Point
(0)