マンタレイの沈黙/
mizu K
街をひずませている調性のない
属性をもったビルディングが
太陽にむかっておじぎしている
じりじりと今
風は耳をすます
調性のない音のうねりから
こぼれおちるものをひとつ
すくいあげてみる
夜
街の屋根の上に
マンタレイは翼をひろげる
人々の寝静まった時間が
マンタレイの
夜空にひろげた翼で
夜の海をしずかに
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