みつのしずく/りゅうのあくび
 
こどくないのちが
やどるはりを
つよくしなやかに
のばしながら
そおっと
からだにまとって

ぼくは
みつのしずくを
はこぶ
くろいはちになる

りょううでを
はねのように
こいしいひとのうえに
ふわりとひろげ
あおぐ
とおくの
ちへいせん

はちは
はなのうえを
いったりきたり
なんども
ひとつになり
ふたつに
なったりして
みつのしずくは
ながれになって
あふれてく

みつのしずくが
おちるとき
こいしいひとの
くちもとから
といきがこぼれ
ほてったからだが
はなひらく
ほのかな
においがかおる
どこまでも

つきのよるに
ちいさな
こきゅうを
しながら

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