カイワレの芽/たけ いたけ
掴みかかった二階建てのバスに
白子が汗をかいて座って
手をふりもせず故郷との別れを惜しみ
心臓の嘆きも三角巾の純白も
一緒に連れ添っていました
その速さ時速60キロ
真っ白なビーズクッションに
鼻を埋めてマシュマロパーティー
白梅が部屋のあちこちで咲き
窓辺から見える四角い明かりはブラウン管
板チョコの銀紙から這って出るヒヨコ
海を見渡す砂浜で
君が背中を向けていた
頼りなさ気に
それでも地道に移動する
浮遊感のある船を
僕は君の目を通して見ていた
瞳が湿っていくのを感じたけれど
そのままにした
君と僕は顔を合わす必要はなかったのだから
突き出て
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