消えるもの 残るもの/深水遊脚
 
と人との関係なのである。カネは交換の比率を示すものでしかない。それを錯覚してカネがすべてだと思ってしまえば必ず失敗する。短期的にはうまく行っても長期的には必ず。それを知ってか知らずか、人はカネに狂わされる。思考は単純になり、受け身になり、不安になる。


 消えるもの:詩の言葉の貨幣額での評価   残るもの:詩の言葉と人間とのかかわり

 このように仮に言っておこうと思う。でないと収拾がつかなくなるので。今回買った詩集とは別に、私の手許には詩学社の詩集が3冊ある。いずれも関東在住の折、在りし日の「ぽえむぱろうる」で長時間の立ち読みの末に買った、わりと思い入れのある詩集だ。その3冊の詩集、
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