拡大コピーの時間/合耕
 
丘に上り 君達と会い
そこでまた違う風を受ける

砂粒は 会う度に僕達をずらしてゆく

いつか破裂する糸電話の糸で
誰かに話しかけていてもいいのかな
青空を見なくても保存されるような
驚いた顔のまま 触り合っているみたいだ
あの娘が魔女の死体片付けるの手伝ったり
あの人に刀の抜き方を教えてもいい
やっぱり僕達は恋してしまうのだから
もしも君の顔が
ホバークラフトに乗り込み カーテンの後ろから飛び立つ神様に似てきても
お互い 影を踏み合うだけだ
何もわかってこないまま 
笑顔が綺麗になる

君が触る心臓も 僕が触る心臓も
全て風に吸い込まれてしまい
もう一度砂丘に上る
砂粒が通り過ぎ 忘れられてしまいそうなときにまた思う

僕達は いつか必ず恋してしまう
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