空の破れ目 /
服部 剛
数日後
フランスへ旅立つ友の
亡き母親の面影を
就寝前
闇の天井に想い浮かべる
「 わたしがほんとうに
求めるものは、何でしょう・・・? 」
胸に手をあて念じ続けると
閉じた瞳の裏に広がる空は破れ
天から下る
( 誰かの手 )が
地上に立つわたしの額にふれた
( お前はすでに、我が子である・・・ )
隣室にいる
今日誕生日の親父が
くしゃみをした
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