山下 清 /
服部 剛
知らない誰かにすくわれて
取り残された浜辺でひとり
よれよれ立ち上がりながら
見も知らぬ明日へと続く
あのトンネルの
向こう側にゆくのです
黒影覆うわたしの顔を
見上げた空の雲間から
光で照らす
飼い主みたいな誰かが
わたしの名前を呼ぶほうへ
スケッチブックとペンを手に
まっすぐ伸びる線路の上を
わたしは歩いてゆくのです
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