赤い扉 ?/
海月
寂れた教会に嘆きの歌声が響く
優しい旋律が辺りに流れ出す
顔の半分が壊れた銅像
それでも神に祈りを捧げる
老婆は今日も来る
一縷の光が導く明日への階段
希望の後の絶望を知っているから
誰もその場所から進もうとしない
昨日の少年は四肢を切断し
弟妹の為に我が身を焼く
昨日の少女は身体を売り
永遠の贅沢と共に心を砕いた
漆黒の闇が辺りを覆う
蝋燭の揺らめきだけが
世界の輪郭を映し出す
赤い扉は真実共に崩壊した
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