亡骸になっていく/かえで
ない
君が例え僕をあざ笑ったとしてもそれを泣いて喜びたいと思う
この角度から見える写真立てにはまだ幼い頃の僕たちが笑っているよ
戻れるものなら戻ろうよ
あの頃のように命の尊さを分かちあおうじゃないか
君は僕を果たして見つけてくれるのだろうか
君はこんな僕に気付いてくれるだろうか
白い部屋の片隅にカーテンを抱きしめた僕の亡骸があったとしても君は嫉妬なんかしないでね
僕はもっと君といたかった
うとうとと話していたら目を閉じてしまいそうだ
そうだ
それでいいんだと思う
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