いつもただ考える/nm6
話し相手をさがす。空白は濃度の問題で、強い時間に埋もれるほど離れては胃の中で体育座るかのような空洞、そう、空洞にも逆説的な密度があって、クラクラとしては見失ったスタイルに慣れて、ぼくらは文字通り緩い財布にゆらりと寄り沿う。そしてジョグダイヤルとビールに耽る夜。立ち上がって勘定を済まし、空回るほどハイスピードの自転車はタクシーに突っ込む妄想で、若いぼくらは瑞々しく散るだけだ。それもこれもあれもどれも誰も彼もがすべて嘘で、そう、ただぼくらは酔っているだけなのかもしれない。
いい加減に散々だ。空白は深度の問題で、鉱脈を掘り当てたら終ることを回り道回り道してリーチを避ける端点、そう、端点にも逆説
[次のページ]
戻る 編 削 Point(4)