親愛なる友へ/玉兎
 
。
  私がぽかんとしておりました所、大声で膝をたたいてお笑いになりました。
  後から考えるとどうやら照れ隠しのようでした。
  そして、また明日も雲のすそであなた様と私は下界を眺めていることでしょう。
 
                − 2 −
  神は今日も雲のすそにいらっしゃって、 かすかな声を聞いているようでした。
  私がそばへ行きますと、難しい顔をしてこちらをお向きになり
  ひとさし指を口元にやって「静かに」の合図をしました。 
  私は思わぬ一面を見てしまったと、思い笑顔でうなずきました。
  そして、しばらくたってから、神妙な顔をなさ
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