重命/青井 茜
下腹部の痛みに眉をしかめて
それでも込み上げる愛おしさを
私はきゅっと抱きしめる
漂っている海は
段々と狭くなっているでしょう
内なる世界は見えなくても
感じることはできてるのよ、ね
ただなされるがままだった
そんな繋がりも今では
自ら握りしめる程になっている
あまり強すぎると
止まっちゃうから気をつけて、ね
とくん とくん
(とくん) (とくん)
まだ重なりはしない二つの
「生きている」
私は柔らかな涙を我慢する
もうちょっとだけ待ってて、ね
愛高ぶらせて
とくん とくん
(とくん) (とくん)
とくん
(とくん)
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