感動する体/狩心
 
誰かに繋がるはずもなく

あなたはあなたの世界にあなた以外の人物を登場させる
その人物にあなたの分身である人物を否定させる
お前みたいな奴は人間のクズだ
お前みたいな奴は生まれて来なきゃ良かったんだ
肯定と否定を掲げた二人の争いは、作られた世界を舞台として
二人とは関係なく平和に暮らしている人々を、炎の渦に巻き込んでいく
ここまで自分勝手な奴もなかなか居ない
ここまで人間に飢えた奴もなかなか居ない

炎の渦が段々と収束に向かっていくと共に
あなたは文字を書く事を止める事を考え始める
あなたは文字を書く事を止める為に文字を書いていた事に気付く

あなたは文字を書き続けて
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