えうろぱ/山中 烏流
 
 
 
 
 
 
 
響こうとして、やめた
あの鐘の試行錯誤が
静かに鳴っている
 
レンガ造りの壁/床/屋根
その全てに
すべからく神は宿るのだと
その象徴として
誰かが、何処か遠い場所で
十字を切った
 
 
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えうろぱ、
私はそう読んだあと
それが何を表すかも知らず
ただ、響きに憧れていく
 
首から下げた
安物の十字架に触れる
それは神聖なようで、
冒涜にまみれたことだとも
気付かないままに
 
 
空気を揺るがすのは
私の息と、お気に入りの歌と、
それから
 
 
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