ビル/ゆるこ
 
目をつむっても変わらない灰色
空気の高笑い
換気扇のおと
 
埃すら愛しく肺を犯すこの部屋で
メランコリーが発情した
 
愛してる
安いね、いくら?
 
なんて戯言
一人でリピート
アフターミー。
 
なんでこんなに
世界は傾いてしまったのか
孤独な世界光るネオン
見上げた天井
こびりついた人の顔
 
プラトニックなひとに
なってしまいたかった
 
叫んだ声を
暗闇は食べる
ばりばりと
わたしは結局、泣く
 
 
ぽっかりと風穴
はりついた火傷のあと
処女の矯正器具
晩年の聖職者
 
ごりごり
頭蓋骨と鉄骨
カーテンの隙間の光
ほら、また泣いてる
 
 
静かな裸体に落とした12ヶ月
こんなたくさんの透明は
しゃぼん玉みたいに簡単に弾けた
 
盲目になって
たくさんの草木を愛せれば
この薄いベットでさえも
優しくなるのだろう
 
切れた唇の端から
止まらない一リットルの血液
 
わたしはいつ鉄骨になれるのか
そんなことばかり
えいえん、考えた
 
 
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