わすれがたみ/真山 仁美
突然、私の右胸の辺りが小刻みに震える。
いつもとは違う、私の一番お気に入りの交響曲
ふいにきた5時間前から届いた君のメール
届かなかった理由もわからない、電波の状況か神様の悪戯か
そこには「付き合ってください」とだけ書かれてる。
実際はもっともっと長い文なんだけど・・・そこだけ目に入ってきた。
すぐに返事を書けなかったことに嘆き、同時に夢心地のような快感をおもう。
私は嬉しさと動揺の混じる指でボタンを押す。
「わたしも・・・好き」
今度は五時間後に君のもとへ届くのかな?
私の鼓動は五時間後まで治まることを知らないのかな?
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