おくられた影法師(月が輝く大地へ。たぶん愛をこめて)/空雪
 
臨界点ならとうに越えた
 さぁ
 夜がくるよ


さよなら お月さま
俺は、あんたに届かない


こうばしいパン
かぐわしいコーヒー
光が蔭る砂時計とともに
ひまわりの形をした角砂糖を夢見て


さよなら お月さま
あんたは、彼には届かない


限界と言えばまだ先さ
 あぁ
 朝はくるのだろう?



俺なら、手を伸ばしたなら、届くのか、なんて 愚問だ、



黒猫がワルツを踊り(ららら、ピアニシモ!)
俺はようやく歩き出し(願わくばスローステップにて)
彼は笑顔で走るのだ(きみのことだよ マイディア、)





だからこそ




さよなら
さよなら、お月さま

あんたよりも触れたいひとが いる。










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