ZUZUさん『鳥人間コンテスト』を読む/楢山孝介
 
た飛行機が
 見つかったなんてニュースを
 きみだけはきっと信じなかったって知ってる
}
 彼あるいは彼女の作品は、ちょうど百編あった。百編で止まっていた。新しい作品は発表されなくなっていた。改めてじっくり読んでいくと、まだまだ好きになれるものがたくさんあった。「もう二度とこの人の新作は読めないかもしれない」だなんて、人の事情も知らないのに感傷的になって、読みながら涙が溢れてくることもあった。

{引用=
 二年前ぼくはわるい女に狂っていて
 こころを搾取され
 借金を肩代わりしてボロボロにやせ細り
 それでもはかない純愛のつもりで
 H君から突然の電話は
 親があらひさし
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