ある少年Aの考察/時雨
 
「ついこないだまでこのぐらいしかなかったのに。」
そんな風に言って母さんは自分の腰あたりに手をかざした。

(いや、さすがにそんなことはないだろう)

いつのまにか母さんを見下ろすようになっていた。



大人に、大人になっていきます。僕は、

車の免許が取れました。

もうすぐお酒が飲めるようになります。

(タバコは吸うつもりないけど、
     ピアスは未だに怖くてあけられないけど)

父さんと目線が合うようになりました。
いえ、少しばかり僕のが高いんですが。

(寒々しくなった父さんの頭、がよく見えます)



新聞とか、ニュースを見る余裕
[次のページ]
戻る   Point(2)