スター/ku-mi
数段にかさなった雲がちぎれて
やがてあなたのところに届く
そうして同じ雨を降らすの
目に映りこんだ人の波を追い出したくて
必死で目をつぶってみるけど
ぶつかり合う肩の痛みに
思わずあなたの腕をつかんだ
まぶたの裏側で輝いていたスター
星の見えない夜でも
あなたのどの癖があたしに残るのだろう
風に呼吸をさえぎられる
季節に溺れてるヒレのない魚たち
ゆびきりなんて出来なくて
肺の奥で数えてる秒数があなたとそろえばいいのに
もしも同じ瞬間で泣けたなら
ずっと隠してた想いを言えそうな気がする
あなたのもとで降り注いだ雨が
いつかあたしの体を流れる頃
ぎこちないあの口づけを、そっと
あなたも思い出して欲しい
まぶたの裏側で流れていく美しい光は
あなたがくれたスター
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