調律される、夕暮れの中で/かのこ
 
思わず息がこぼれて
あたしは君への思いで
この身体は調律される

もうすぐ終わっていく
そんな情景、君がいない
君の追憶には存在しない
特別でも何でもない
あの丘にまた、夕暮れが降る

時間を追いかけるように
ひとつずつ鍵盤を並べていく

白と黒の優しさ、その狭間で
ずっと同じように見えていた景色も
表情を含み、笑ってみせてくれる

身体の中心に棲んでいる
熱はいま、声になってこぼれた

鮮やかな音色で、聞かせてよ
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