夜明け/かのこ
 
あなた
こんな夜に
あなたの強い視線を
その行き先のことを
ふと考えてしまった
私は、ね・・・

「私は、ね・・・」
口にしかけて、やめてみた
伝わるなんて、理解されるなんて
はじめから期待してはなかったけれど
悲しかった夜は
それはいつもだよ

身体ばかりが
心を突き放し、正しいだけの
夜を明かす
まるであなたそのもの

あなた
まだおなじ場所で座り込んでいる
こんなしどけない私を
笑って、助けないで

もっとちゃんと
大人になれたら、なんて考えている
私が幼い何よりの証拠に
気付かないふりをして
明かそうよ、手をつないで一緒に

明かそう
世界が目覚める、そのはじまり
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