夏/服部聖一
組まれ
規則正しくゴザが敷き詰められている
水を撒いても、
水を撒いても、蒸発する午後
炎天下、整列したゴザに上にライブの音が流れ、砂ぼこりが舞う
亡骸には名前が付けられ、名前は蒸発することがない
受け入れるでもなく、
拒絶するでもなく、
疎外感なく、そこにいることが夏祭りな感じで
ななめに交差する道路の、その先に
鉄路の磨かれた日常が平行に横たわる
夕日が、おなじ強さで照りつける
ハトが、ひどくゆるく頭の上をこえて
ねむる人のいる地上に、音もなく降りた
戻る 編 削 Point(1)