現代人/ドレンチェリー
失くすのが怖いだなんて
後悔するのは嫌だなんて
嘘つけ。
お前や私は
本当はもっと図太くて
そんな感傷や哀しみや
嘆きさえ
ドラマに代えてしまう。
しくしくと泣く己を
もうひとりの自分が眺め
うっとりと
浸るんだ。
そうだろう?
現実感のある自分を
ドラマみたいな自分を
演じてるだけ。
本当は
彼が死んだって
彼女が死んだって
悲しみに明け暮れられる
ツウと静かに、頬に涙を落とせる
ひとりで夜空を見上げて泣くことが出来る
それは素敵なことだと思わないか
現実を必死に生きてきた過去の人々より
ある種の暗い時代を
図太くドラマに変えて生きて行ける
それは。
嘆き悲しむな現代人
僕等がいないと この世界は完結しない。
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