光の回折/凛々椿
庭に舞うチンダルブルーの鱗粉が日に灼かれて
ちりちり して
なんだか今日は風がうるさいなあ
小さい頃の家の庭にも
同じのが飛んでいて
つかまえようとしてもひらひら
ひらひらと
あの頃は
特別な言葉の羅列が目の前に悲鳴のようにつんざいては
立ち消えて
そしていつも空が重たくてしかたがなかった
ぬいぐるみの転がる路上にネオンの光差していて
どうしようもなくて走り出して
歩道橋のやさしさと雑音のやさしさに
煙と一緒に溶けていたっけ
恥ずかしい思い出ばかりだよ
マンホールに頭ぶつけてたんこぶできたり
ランドセルを右肩だけでしょってみたり
道に落ちてたドッグフ
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