約束/海月
 
窓を開けると
渇いた夏の風が髪を浚い
安らぎの匂いがした

教室の窓側の席
君はいつも遠くの世界を見ていた
何も変わらない風景
一年を通して見れば違って見える
君はそう呟き視線をはずした

終わりを告げる鐘が鳴る

さよなら
また、あした

約束の重さの意味も分からずに交わした
私からの言葉を君は頷いただけ
その事がどんな言葉よりも安心した

君との帰り道はいつも話すこともなく
沈黙だけが二人を包んでいた
周りは駄目な恋人と冷やかされたけど
君はそんな事も気にせず
私も気にもとめずにいた

夕焼けに染まる空を眺
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