☆第五回即興詩会(夏の陣編)/ワタナベ
ワタナベ「空の箱」 10分間で はじめー
○田代深子
「空の箱」
足から入り腕を出すと
そのダンボールのほかは空ばかりで
おれは首も伸ばし下をのぞきこんでも
からりと晴れ風鳴る空のどこまでも
しまった
あれも連れてつれてくればよかったと
ポケットの小瓶をあおって
ああ携帯もないし
ダンボールは揺れもせず
ただ口を空け
どこかへとしょんべんを放った
○月見里司
「空の箱」
ちいさい点が見えて
どうにもならないことがわかる。
むげんの草原に立って
何処へでも着く前のわたしたちと
平坦な雲の列の
ゆるみ。
わたしたちの脳は
厳重にかぎをか
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