未練/青井 茜
物足りない
もどかしさを
誰かに拭って欲しかった
甘えた声の行く先は
ただの虚しさだなんて
愛してるを言えば
頭を撫でてくれたから
私はにゃぁと鳴く
猫にすら憧れた
惨めなのはきっと
なかなか冷めてくれないから
想っては
また時を数えてしまう
星まで隠したカーテンに
縋り付くしかできなくて
体操座りが癖になったのは
さよならを聞いた後だったかな
口を開くのが億劫で
指ばかりが慌ててる
にゃぁと鳴くことすら
私には許されなくなって
可愛いを向けられるのは
誰になっただろう
迷っても押せない真夜中
見覚えある番号を
早く消したい
悩んで解かれるなら
私は愛だらけの脳でいい
馬鹿だと蔑む
そんな言葉も
聞けないことが寂しいなんて
繰り返すよ
馬鹿って言いに来て
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