忌々しきは恋の凶事/錯春
コノゴロ巷デ流行ルモノ
恋スル乙女ノ消失
猛暑ユエ蒸発ノ可能性アリ
マコト 忌々シキ事態デアル
まったく、全然興味が無い文面が、どの新聞を見てもズラズラと連なっていた
コノゴロゴロデルルルモノスルスゴロ
巷猛発蒸発消失
忌忌々シキ可能性ノショウシツデアル
文面はほぼ同一で、同一の文面は繰り返されるサイレンさながらに目蓋にはりつく
恋する乙女のショウシツ……
その文面に漂う色香は只者ではない
おぼこい僕はすぐに熱を出してしまい、畳に倒れた
そんな僕を見て、母は
たぷりたゆとうヤカンを額に乗せてきた
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)