腐乱死体/めぐちみ
溜まっていく新聞は
僕のダイイング・メッセージ
愛する君を待っている
早く僕のところへきておくれ
君が重い腰を上げ
扉を開ければ無数のウジ虫
それは僕の肉片を食い物とし
白く波打つ
孤独のマットレス
人間だった僕の抜け殻を
汚物と見なす君の視線は
腐乱ガスで風船みたいに膨らんだ僕を
萎縮させる。
美形なはずの僕の姿態も
特掃業者が放つ化学煙で
消されていく
僕は死んで、腐っている。
君は鼻と口を、おさえている。
「もっと綺麗に逝って欲しかった」
愛する君が、泣いている
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