殲滅のルミュ/キメラ
 

四倍に観えた
斜陽から
大気の臨点は
風をつくり
迸る生命に
つむじ一閃
燃ゆる

身震いした秋風
最小のヴェルレーヌを
解き放ち

ただ
一歩の前進に
凍り
凍てつく
街路樹

心の頂
カステーラひとつ
舌に絡めた


殉教のような
桜色の涙とも
季節の侘びしさとも
映る
決別の車窓で

入れたての
紅茶に守られていた




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