モノクロームな セリスモス/モーヌ。
 



パンの いる 午後

滑るように わたるように 遠投...

その 距離は 長く 零の領域で 黙秘 して いた

コバルトの 蜃気楼の むこう から

泣きながら 出て いった ひとが 帰って くる

背なか いっぱい 束ねた 収穫を 持って いて

冬と ちがって 夏が もの恋しく させるのは

あかるくて

花々が 継がれて ゆくのが わかった と おもう

いっせいに あふれさせて 消えて ゆくように

いそいで きのうの 花は 旅立って しまう けれど

いまは 月見草の 帯が 立体交差 する

野の道を 散らばって

いくつ
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