MORPHO/
鏡文字
morph
は腕に軟膏を塗りました
てらてらと光ったその部分は次第
に硬くかわいて南国の蝶のような輝きを帯
びてきましたあ、と思うまもなくそれは一
枚の美しい鱗片となってきらりと剥がれ落
ちキッチンの床で粉々に砕け散ると破片の
一つ一つが本物そっくりの美しい
蝶となって飛び立ってい
きましたmorph
は
その鱗粉を呼吸し夕
空に昇っていき
ました
fin
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