即興詩会:第3回/ワタナベ
いぼ、
手の甲から肩あたりまで
僕は肩を切り落とす
さぶいぼをたてた腕が転がっている
切り口からみえるぼくの中には
一遍のことばと
夕暮れが広がっていた
公園の砂場でお山を作っていた子供が
母親に呼ばれた気がして
どこかへ帰ってゆく
その後
その子の行方は誰も知られなかった
誰もしらない物語が
僕の中にある
さぶいぼ、
行方不明の子供たちを
呼ぶ母の声
僕は呼ばれた気がして
切り落とした腕をそのままに
声の方へ駆け出す
僕の行方を知るものは誰もいなかった
相田 九龍 [21:01:12]
月見さん
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