きみは止むことのない旋律で世界を奏でよ/大覚アキラ
 
きみは旋律だ
最初の旋律であり
最後の旋律そのものだ
目を閉じて思い描く光り輝く十字架だ
書き尽された全ての文字を初期化する黙示録だ
星間を行き来するめくるめく通信だ
都市を跳梁するしなやかな形を持った音楽だ
幾千万の朝と夜を超えて現在に屹立する鋼鉄の精子だ

宇宙がある
きみのなかに宇宙がある

きみは言葉を捨てて荒野へと歩き出せ
襤褸さえも纏わぬ身体ひとつで世界と対峙せよ
きみの中にある宇宙を旋律にせよ
言葉ではなく旋律そのものになって世界を奏でよ

きみは旋律だ
最初の旋律であり
最後の旋律そのものだ
そして決して止むことのない旋律だ

それこそがきみの詩だ
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