都市殲滅/海月
空は高く澄み渡り
雲一つない快晴に
ふいに恐怖を覚える
揺れるアスファルト
伸びて行く木々の影
落ちていく星の輝き
乾いたグラウンド
白球の汚れや誇り
遠く響く声
明日にでも全てを破壊して
終焉を告げたい
と
願う心が
思い出の色彩を奪っていく
過ぎた事と過去の事と割り切る
夢や希望に縋る事もせずに
諦めの世界に生きている
崩落・崩壊の街並みを
少し高い場所から見ていた
感情・言葉にならない思いばかりが
胸を締め付けて、涙を流した
君の冷えてく指先を抱えて
月明かりに震える
心と心
不安と焦りと孤独
君の瞳に僕は映らない
滅びの日を待つこの身
共に重ねた月日だけが
最後の世界を作り出す
君の声は微かに響く
置いてきた日々
平和の意味を知る
最後の夕焼けが眩しくて視線を逸らした
それは君の爪痕を見たくなかったのかもしれない
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