シンデレラと、魔法使い。/愛心
思議だったんです。
なぜ、このガラスの靴だけ、消えなかったのか。
自惚れかも知れませんが、思いました。
貴方は、私が好きだったのではないですか?
―はい。好きでした。
そう言った瞬間。その美しき悪魔は、涙を流しながらその場に崩れました。
さらさら。と、彼の身体は砂に変わっていきます。
金。銀。黒。赤。蒼。緑。
色とりどりの砂が、風に吹かれたとき、声が聞こえました。
―貴方が好きだからこそ、幸せにしたかった。
あぁ。私の目は、涙で溢れかえりました。
ありがとう。
私は貴方の砂を小瓶に入れ、今でも、お守りにしています。
貴方といつまでも、一緒にいるために。
[グループ]
戻る 編 削 Point(7)