影踏み/悠詩
鬼さんこちら
手の鳴るほうへ
あたしのあとを
追いかけてきて
校庭に伸びる
わたしの分身
光を与えられない
無邪気な沈黙
朱色に染まる
雲の峰から
身を隠すように
はすに構えて
わたしの足もとに
そんなものがあったなんて
光ばかりを見ているから
気づかなかった
その闇はわたしを
誘っているの?
ぴたりと離れずくっついて
今にも飲み込んでしまおうと
鬼さんこれを
飲み込んでおくれ
そう口ずさもうとして
綺麗事を消す
背中もあるし
表情もある
光が違えば
濃さも違う
どんなに目を
背け
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