ふしあな。/もののあはれ
 
思うところがあり木の節をじいーっと眺めていたら
目が節穴になってしまった
オロオロと手と足を同時に動かして慌てていると
青リンゴの香りのする見知らぬ誰かさんが
あっちのほうにその辺の事情に詳しい人がいますよと
ガム的なものをクチャクチャやりながら教えてくれたので
そっちのほうへ兎に角歩き出す事にした
おそらく三日三晩ひたすら歩き続けたのだろうか
ふと足に妙な張りがあるなあと擦ってみると
完全に足が棒になっていた
気づいたとたんにもんどり打って地面に倒れると
日差しに強烈に弾かれて喉がカラカラな事に気がついた
だが目は悲しいかな節穴になってしまったようだし
足はどう誤魔化そ
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