うそもの/R
夜の咎落ちて電子の月、
自意識過剰くゆるよ。
只々妄想の中の姫に口付けを。
「アイシテイルノデス」
姫は歌いました。
夏は終わっているのに僕はまだ熱に浮かされている。
(この世界ならばどんな人間にもなれるよ。)
昏い感情が頭を擡げてしまうから、毒を抜かなくちゃ。
あああさきゆめみし色はいろとりどりと散り
いろは唄いました盗り鳥と咲き去りゆき
残された自意識過剰は燻るよ。
(そう、いつまでもこのままではいられない。)
平面に踊るよ。姫はちかいのくちづけを。
(うそものならば永遠にずっとこのままでいられるのに。)
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