飛行機雲/雨宮優希
 
れど
それでも毎日がただ精一杯だった
都合の良い自分をずっと演じて
顔を洗い流すたびに 泣きそうで
窓の外見えるのは いつだってただの景色で

誰にも理解されないんじゃなくて
誰も理解しようとしてないってこと
本当はもう気付いてるんだけれどもね


いつもの目的地についた電車のなか
眠った振りして息を殺してる君よ
僕のことはまだ知らないだろうけど
一つ聞いて欲しいことがあるんだ

「何も君と変わってないよ。大丈夫」

僕は今つまらない毎日を送ってる
君が望んでいたそれを手に入れたんだ
それなりによくある恋もして
誰より分かりあえる人にも出会って
小さいけれど自分の居場所も見つけて

たぶんこれが幸せって言うんじゃないかな?
自信はないけれども そう名前付けたよ
君は気に入ってくれるかなぁ


窓の外のただの景色は
今日もあの頃と変わらずに青いよ
一直線に伸びたそれが
何処までも 何処までも途切れずに
君もまたそれを見てるのかな?


「今日もこっちは晴れだよ」





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