残り火/山崎 風雅
 

 小雨降る夜中に佇む自動販売機
 主がくるのをひっそりと待っている
 
 暗闇が包み隠そうとすればするほど
 燃え盛る 胸の残り火

 歩きだしたら振り向くな
 自分に言い聞かす
 ただ胸の火が
 僕を突き上げる

 雲間から月が見え隠れしている
 地球が…

 勇気はあるだろう
 無謀との違いに気をつけよう

 この命どこにあずければいいのだろう
 体からはみ出した残り火に
 ただ戸惑うだけの赤提灯



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