哀しみ皇子(8)/アマル・シャタカ
 
ぼくは哀しみを探索する哀しみ皇子

鏡のない二人だけの世界という駅で
ぼくは太郎さんに出会った
そして、ぼくはまた、泊めてもらうことになったんだ

太郎さんについて、家までいく
そこは、たぶん、手作りなんだろうね、質素な感じの家

「いま、帰ったよ」
太郎さんがドアを開けて入ったので、ぼくも後からついていった
「お帰りなさ・・・・あら?」
たぶん、花子さんなのだろう
やさしそうな感じの女の人がいた
「珍しく客だ、哀しみ皇子っていうんだよ」
太郎さんは、そういってぼくを花子さんに紹介してくれた
「あなたが客人を連れてくるなんて、珍しいわね」
花子さんは微笑んだ

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