詠うわけ/相良ゆう
 
少しでも自分の
原動力になるように
自分をふるい立たせる
言葉を探すように

詩を詠います

ほんの少しの言葉の運び
ほんの少しの聯の長短の違いで
心の琴は美しく奏で
その高鳴りは清らかに
しみじみと体にしみわたり

生きる感動と
生きる勇気を

与えてくれる

命のすばらしさとはかなさ
だからこそ生きる人の強さを

人のとうとさとみにくさ
だからこそ煌く人の生を

教えてくれる

そして言葉は
私だけのものではなく
他の誰かの感動となり
勇気となるもの

そう信じているから
私は詩を詠います

大勢の誰かのためにではなく
たった一人のために

現実に打ちのめされて
なんかいも絶望しても
それでも詩を捨てない
たった一人の誰かのために
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