後の煙草/流希-Яuki-
 
愛している彼女との性行為が終わり、僕は外に出た。気だるい気分に煙草を与えて空を見る。生暖かい温もりを感じた後の風は良い感じに熱を冷ましてくれる。喉に刺さる煙草は幸せに近い味がした。

次の日は起床の後に煙草を吸った、彼女は居ない、一人で煙草を吸い、また煙草に火をつける。なんとなく、火付きが悪く思う、気だるさ変わらないが、温かい風が吹いても心を温めることは無かった。

毎日を変わらず過ごしていると、色々なものを見失ってしまっている。例えば恋とか心とか。想い耽るように煙草を吹かす、雲のように日常は流れているのだと、この時見上げた空が教えてくれる。

部屋に戻り、煙草に目をやると無くなりかけていた。それは何かと同調している数なのかもしれない。

そんな事を考えていた僕の頭に、少しの苦笑が零れた。
戻る   Point(0)