風景/見崎 光
 

落ちつきを宿した呼吸

数えた正午の鐘の音と

湿気を帯びた稀薄の風

降下する冷気は

伝いの過程を経て

火照った躰を解いていく

愛撫の度に開かれていく弁

濡れた声の果てで見た

熟しを待つ

夏の果実



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