月下美人/悠詩
 
罪咎の月光が降り注ぐ
身体の冷えた僕には
その暖かさはあまりに残酷で

君がいるはずだった世界を
壊してしまったこの手には
その暖かさはあまりに無慈悲で

テラスの鉢植えも
白を誘うカーテンも
僕だけが苛まれていることを知らない

天から垂れる紅い糸は
僕の手を絡め取って離さない


たったひとひらのお札で
君の命を買った
確かめあったふたりの愛が
いつか形になることを夢見て
部屋の隅につつましやかに佇む君を
僕は抱きしめることも叶わず
脆弱さを妬みながら
ずっと眺めていた


あの冬の日

南国生まれの君には
日本の吐息も言葉も光も

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